ファッション&ビューティのプロをゲストに招いての秋冬トレンド解説。前回の〈ファッション編〉に続き、今回は〈ヘア&メイク編〉をお届けします。日々の外出にマスクが欠かせない今年の秋冬。男女のヘア、そして女性のメイクもそれを受けた流れがある模様? 最後にはトレンドに似合うアイウエアもご紹介します。こちらもあわせてご覧ください。
いちおしは "ワンポイントメイク" !
メガネとの相性も抜群なんです
石丸雄策(以下、石丸):続いて僕からはヘアとメイクのトレンドについてお話します。まずメイクから。この秋冬は、ファッションショーのメイクでもちらほら見られた、目元や口元など、どこか一箇所を際立たせる"ワンポイントメイク"が気になっています。肌感はナチュラルに、秋冬の服の質感に合わせて少しだけマット寄りに仕上げて、そこに色をポンと効かせるイメージです。
岡田真里奈(以下、岡田):なるほど。前回、春夏のトレンドとして石丸さんがおっしゃっていた"ワントーンメイク"は春夏人気でしたね。秋冬は"ワンポイント"なんですね。
石丸:そうですね、メイクはここ数年、よりミニマルな流れへと向かっている印象があって。さらにコロナウィルスの影響が拍車をかけているかもしれません。メイクの機会が減っていますし、以前よりササッと済ませる傾向がありそう。岡田さん、辻野さんはいかがですか? メイク、してます?
辻野ゆう(以下、辻野):弊社でもリモートワークの流れがあったりで、メイクする機会は減っている気がします。
石丸:やはりそうですよね。ライフスタイルの変化にともなって日常的なメイクが変わったという女性は多いと思います。でも実は、リップカラーの売り上げは最近やや上向きだとも。
岡田:えっ、意外。かわいい色だなと思っても「なかなか使う機会ないし」と買いそびれていました。
石丸:リモートで使う人が多いみたいです。簡単に"メイクしている感"が出せて、華やかになるから。
岡田:なるほど! その手がありますね。私もリモート会議に使ってみようかな。新色をつけると気分が上がります。
石丸:そうそう、リップカラーは影響大です。じゃあ今季一番おしゃれな色って? となると、レッドブラウンかなと思います。赤みのあるブラウン。アイカラーもおすすめです。
辻野:おしゃれに仕上げるポイントはありますか?
石丸:存在感のある色なので、つけ方が重要です。リップカラーの場合は、リモートならリップペンシルなどで輪郭をとるときれいです。リアルな場面では指などでふんわりぼかしてもかわいいと思います。アイカラーは上まぶただけに伸ばすのがおすすめ。下まぶたにまでつけると"地雷メイク"っぽくなっちゃうから注意。
金田:一箇所を際立たせるメイクって勇気がいりません? そこに目がいって、いつもより派手に見えるというか。
石丸:髪型とのマッチングがあると思います。例えばパッツン前髪に赤リップだと強いけど、軽く、やわらかな印象の前髪だと割と自然になじみます。あと、もっとさりげなく使うなら、アイライナーやマスカラで色を取り入れるのもかわいいです。
岡田:バーガンディのアイライナー使っています! 弊社のデザイナーが赤のマスカラをつけていて、少し影響されました。
石丸:いいですね! ぜひ秋冬じゅう活躍させてください。ワンポイントメイクはメガネとの相性もとてもいいですよ。適度なインパクトが出て、顔立ちが引き締まると思います。
ヘアはマスクとのバランスも意識。
カラーは男女問わず人気継続中
石丸:続いてヘアについてです。女性は、春夏からのエアリーヘアの流れは続いていますね。秋冬だとやや重さを出したりするのですが、今年は全体の長さにかかわらず、顔周りにレイヤーを入れて軽くするのが人気です。これはマスクの影響もあると思います。
加藤正弘(以下、加藤):なるほど、確かに、マスクが顔を覆う分、軽さを出したくなりますね。
岡田:レイヤー入れたいです。川口春奈さんの髪型、素敵だなって。
石丸:そうですね。川口さんは前髪が割としっかりしていますが、マスクをつける場合はもう少し軽くてもいいかもしれません。あと、軽さや立体感を出すうえで効果的なのがカラーリングです。最近の人気は内側に入れるインナーカラー。さりげないから大人でも取り入れやすいですよ。色は金髪やブルーなどが最近の傾向ですが、落ち着いた色もいいと思います。
金田:辻野さんの黒髪にブルーのインナーカラー入れたらすごく映えそうですね。
辻野:ありがとうございます。トライしてみようかな(笑)。
石丸:素敵だと思いますよ。あと、バレイヤージュというカラーも人気です。"ほうきで掃く"という意味のフランス語で、髪の表面をさっと掃くように染める手法で、毛先に向かってグラデーションを入れて自然な立体感を出せます。これも色選びでかなり印象が変わるので、目指すイメージにできますよ。
岡田:髪型はレイヤー、カラーはバレイヤージュで完璧ですか(笑)?
石丸:バッチリです! あとカラーでもうひとつ。最近"まろみカラー"と呼ばれる、ニュアンスカラーが人気です。サロンで独自にカラー剤をブレンドしたりして、フォグブルージュ、チェリーアッシュなどいろんな色が生まれています。
辻野:かわいい色名ですね! 思わず試してみたくなります。メガネの色名にも採用したいくらい。
岡田:色名で商品がより魅力的に伝わりそうですね。若い世代向けのメガネに取り入れるのもありかも。
加藤:ちなみに...男性のトレンドはどんな感じですか? 前回も、男性はファッションや世代によって大きく違うというお話でしたが。
石丸:頻繁に髪型を変えるような若い世代でいうと、パツンとラインのある髪型が戻ってきている気がします。BTSのメンバーにいそうなイメージ。メイクをする男の子も増えていて、ここにもk-popアーティストの影響を感じますね。
金田:一時期はマッシュが大流行しましたよね。
石丸:今は少し落ち着いて、代わりにかなり短いクロップヘアが流行りつつあります。海外ではすごく人気で、日本にも少しずつ浸透してきました。あとは僕みたいな(笑)ふわっとしたウエーブヘアにする男性もちらほら。
加藤:カラーについてはどうですか?
石丸:男性は女性に比べて髪が短いので、バリエーションとしてはあまり多くないのですが、アッシュやベージュ系で軽さを出すのが人気です。金田さんのお話にあったファッションのトレンドをふまえても、秋冬はやや明るめの髪色が映える気がしました。
金田:確かにそうですね。今回石丸さんのお話をうかがって、秋冬に試したいスタイルがイメージできた気がします。
岡田:私も、個人的にも(笑)いろいろと勉強になりました! 本日はどうもありがとうございました。
旬のヘア&メイクに合うメガネを
石丸さんがセレクト!
座談会の後は、金田さんと石丸さんに、秋冬のトレンドに合うメガネを選んでいただきました。〈ヘア&メイク編〉の今回は石丸さんのセレクトをご紹介。
「秋冬らしいシックで落ち着いたテイストと、逆のややポップなテイストで選びました。黒のフレーム(写真奥)は、正面から見ると黒ですが、横から見るとゴールドというバイカラー。さりげないアクセントになりそうで惹かれました。クリアなリムとゴールドテンプルの異素材ミックス(写真手前)は、ワンポイントメイクとの相性がとてもよさそう。こういうメガネがひとつあると、メイクと合わせる時に重宝すると思います」
2回にわたってお届けした秋冬シーズンのトレンド解説。旬のファッションやヘアメイクが伝わったでしょうか。季節の始まりには気持ちを新たに、お気に入りを見つけて気分を盛り上げたいもの。JINSからも秋冬の新作が続々と発売予定です。ぜひこちらもチェックして、まだ見ぬ自分に出会ってくださいね。