ようやく春の気配を感じ、新シーズンのおしゃれが本格的に気になる頃。東京青山にてJINS春夏新作メガネの展示会が 開催されました。そこでJINS WEEKLYでは、展示会会場の一角をお借りして、JINS WEEKLYでもおなじみのファッション&ビューティ業界で活躍する2人のプロをゲストに迎え、春夏のトレンドをあれこれ教えていただく座談会を開催。メンズとレディスのファッションやヘア、そしてメイクの話に加え、トレンドに似合うアイウエアについてもお話を伺いました。 全3回にわたってお届けします。
色、柄、素材、デザイン...
すべてに通ずるキーワードは"サスティナブル"
金田太郎(以下、金田):ここ最近、世界のファッション業界に大きな流れが起きています。一言で表すと「サスティナブル(sustainable)」、「持続可能な」といった意味です。2020年の春夏は、環境問題への影響や、めまぐるしく消費されるトレンドといった、ファッションが直面する問題に向き合い、これからどう進んでいくかということをデザイナーやブランドが考え、「持続可能なファッションを模索した」というのが大きなトレンドなんです。
辻野ゆう(以下、辻野):レジ袋の有料化など、日常生活も変化しつつありますよね。ファッションにもそんな流れが! 例えばどんなトレンドが提案されたんですか?
金田:代表的なのが自然を感じる要素です。色ならアースカラー、白、グリーンや青といったナチュラルな色や、ややくすんだパステルカラーが人気です。柄は花柄やモダンアフリカンバティック柄など。素材はリネンがとても多く、女性ならレース、小物ならラタンなどもあります。
岡田真里奈(以下、岡田):くすんだパステルカラーや花柄は、女性誌でトレンドとして最近よく特集されていますよね。春らしさもあり、取り入れやすそう。


金田:また、サスティナブルの流れのひとつとして「デザインのシンプル化」もあります。シーズンごとにガラッとトレンドが変わると、服の寿命が短くなってしまいますよね。だから長く愛用できるシンプルなデザインをベースに、丈がちょっと今っぽいバランスになってといった具合です。あとベーシック寄りのアイテムが多いのも今季の特徴のひとつだと思います。
加藤真弘(以下、加藤):メンズもその流れはあるんですか?
金田:はい、今季のメンズはセットアップがとても多いんです。かしこまりすぎない素材やシルエットなので、普段使いできて、きれいめの着こなしが楽しめます。これは長年続いたストリート系スタイルの反動ともいえと思います。あと男女ともにデニム素材のアイテムが注目されています。パンツのシルエットはブーツカットやバギーなど、70年代っぽいタイプ。洗いをかけたような、明るいブルーです。
辻野:ここ数年、女性の足元はスニーカーがすごく多くなるなど、カジュアルな流れでしたよね。そこからきれいな雰囲気にシフトしつつありますか?
金田:引き続き「心地よさ」は重視されるので、いきなりエレガントに振れることはないと思います。ただ、リアルなトレンドでワンピースがとても人気だったり、大人っぽい雰囲気に憧れが出てきているのかなと感じています。


きれいめスタイルへの転換期が到来
デニムは70年代風のムードが新鮮
岡田:シルエットについてはどうでしょう? 割とここ数年オーバーシルエットな印象ですが、セットアップが流行るとジャストサイズにシフトしていくんでしょうか。
石丸雄策(以下、石丸):メンズのセットアップはダブルブレストのジャケットが多いですよね。ちょっと着崩しているというか、きれいめながら抜け感がある。
岡田:なるほど、ちょっとゆるめのシルエットなんですね。女性もニットベストが人気だったり、ストンとしたシルエットが多い気がします。
加藤:メンズのきれいめスタイルは、ここ数年細身パンツが多かった印象ですが、少しゆるっとしたシルエットが増えそうですね。
金田:そう思います。
辻野:少し話を変えて。先ほど、デニムで70年代の流れがあるとおっしゃってましたが、10〜20代の若い子は90年代の流れがありますよね。
石丸:そうそう、上手く古着を取り入れたりしてますね。
金田:リアルなトレンドとしてはそうですよね。そんな中でも、特にファッションに敏感な人は70年代を取り入れているのを見かけます。ティアドロップをサングラスではなくメガネで取り入れていたり、大ぶりのサイズやカラーレンズなども70年代の雰囲気。70年代のスタイルって割と大人っぽいんですよ。長年続いたストリート系から少し大人っぽいカジュアルにという流れともリンクする気がします。
加藤:なるほど。JINSのサングラスも今季はカラーバリエーションが幅広いんです。70年代っぽい雰囲気のデザインもあるから、春夏のデニムスタイルに似合いそうですね。



自然を感じる素材を取り入れたり
グリーンを効かせることで一気に今っぽく
金田:先ほど少し色の話をしたんですが、その補足として。米のインクメーカー「パントン社」が毎年発表している「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」というのがあり、2020年は「クラシック・ブルー」という、落ち着いたブルーでした。僕たちにとっては東京オリンピックのロゴをイメージさせるような色です。世界的なイベントも色の選定要素に関わるようなので、まさに影響しているのかもしれませんね。
辻野:夜空の色っぽくも見えますね。先ほど金田さんがおっしゃっていた、自然を感じる色ともいえるのかも。色のトレンドとしては、アースカラーや白、パステルなどでしたっけ?
金田:はい。個人的には、オールホワイトの着こなしが格好よくて特に気になっています。あとはグリーン。男女どちらでも人気だったので、服や小物で取り入れると、一気に今っぽい印象が出せると思います。色味は鮮やかなものから落ち着いたトーンまで幅広いので、好みで選べるのでは。
岡田:リネンやレースといった、トレンドの素材との相性もよさそうですね。
金田:合うと思いますよ。あと、女性におすすめの素材がシースルー。透け感のあるトップスを重ねるだけで、すごくおしゃれに見えます。先ほどお話した柄物を取り入れるなら、思い切って柄on柄もおすすめです。ほかにもアイテムとしては、ショートパンツなどが新鮮な印象です。
加藤:メンズのトレンドも、最後にまとめていただいていいですか?
金田:はい。トレンドカラーは、男女ともに共通です。スタイルとしては、セットアップに代表されるきれいめの着こなし、あと70年代を思わせる、少しレトロなデニムでしょうか。素材は麻ですね。ほどよく抜け感のある、大人っぽい装いを楽しめたら素敵だと思います。やや上級者向けかもしれませんが、モダンアフリカンバティックといったプリミティブな柄にトライするのも格好いいと思いますよ。



「サスティナブル」を出発点に展開される、自然を感じる色や素材、そしてセットアップやデニム。たくさんのキーワードをヒントに、 今季のトレンドを教えていただきました。皆さんもトレンドのファッションを意識される際にぜひ参考にしてみてください。 全3回でご紹介する座談会、次回は「ヘアメイクのトレンド」についてご紹介します。