JINSの高品質&高機能シリーズ「MADE IN JAPAN」が作られている場所は、福井県鯖江市。"メガネの聖地"と呼ばれる土地の歴史は古く、メガネ作りが始まったのは1905年のこと。現在では、日本製メガネフレームの約95%が福井県内で生産されています。その卓越した技術は、世界の名だたるメガネメーカーからも注目されています。特別企画として三話連続でご紹介する鯖江工場潜入取材。前回に引き続きメガネ職人たちの匠の技が光る、メガネ作りの現場をレポート。今回は、なめらかなプラスチック素材を使い、さまざまな色や柄で個性を演出するセルフレームの生産現場の様子をご紹介します。
セルフレームも、メタルフレームと同様に「産地内分業」という手法を取り入れています。素材となるセルロイドからの削り出し、研磨、仕上げと、それぞれの職人達の技が、1つのフレームを作り上げます。
セルフレームの素材となるセルロイド生地。シンプルな黒地やクラシックなブラウンデミなど、色も柄もさまざまです。
最初の行程は「削り」。設計図に忠実に、機械がセルロイドの板をフロントやテンプルの形に削っていきます。ここではマシンが使われますが、削り出したパーツを生地から取り外す作業や、仕様に合わせてカーブをつける作業など、繊細な部分は職人が行います。
セルフレームにおいて重要な鼻パッドも、職人がバランスを見ながら一つ一つ丁寧に取り付けていきます。少しのズレが掛け心地に影響するため、緊張感が漂う作業です。熟練の職人は、1日に300本分をこなすそうです。
削り出されたフロントやテンプルは、バレル研磨機(通称ガラン)に研磨剤とともに入れられます。ガランが回転することで表面が研磨され、ほどよい丸みや光沢が生まれるのです。研磨度合いの異なる4つのバランに、それぞれ20時間前後入れて回し、時間をかけて磨いていきます。
ガランの中に入っているチップは様々な種類・形状があり、季節や気温、天気によってその配合を変えるそう。職人の長年の経験に裏打ちされた割合なのだそうです。
フロントとテンプルを組み合わせるための丁番の埋め込みも、人の手で丁寧に進められます。
専用の泥とバフという研磨輪を使い、フロントとテンプルが合わさる部分の形状を整えていきます。職人達は美しいフォルムを追求し、真剣なまなざしを向けて、黙々と作業を続けます。
磨き終わったテンプルの内側にJINSのロゴなどを印刷する工程も、機械ではなく手作業で行われています。どこまでも職人の腕にこだわることで、この世に1つだけのメガネが誕生するのです。
完成したフレームは丁寧に箱詰めされ、全国のJINSのお店に向けて出荷の時を待ちます。小さなの箱の中には、鯖江の職人たちの意地とプライドと、確かな技術が詰め込まれていました。
職人の手で一つ一つ丁寧に磨かれ、匠の感性と長年培った確かな技術で美しいフォルムに仕上げられる鯖江のセルフレーム。完成するまでに多くの時間が費やされていることがわかりました。生産の過程を知ると、新しいメガネを手にした時に作り手のぬくもりが感じられると思います。皆さんもぜひJINSのお店で「MADE IN JAPAN」シリーズを手に取ってみてください。