ここはメガネのこと、ファッションのこと、そしてカルチャーのことを愛する人々が集まる秘密の部屋。それぞれがどのようなメガネを愛し、どのようなアイコンに憧れているのかなどを自由に語ります。後編では、編集者の中島敏子さん、モデルの小谷実由さん、フォトグラファーのシトウさんがテーブルの上に並べられたJINSのメガネを手に取りながら、お話を聞かせてくれます。三人が語る"いま気になるメガネとサングラス"とは。
小谷実由(以下、小谷):JINSのメガネは本当にバリエーションが多いですよね。以前、モデルのお仕事をさせていただいたときもびっくりするくらいの種類をかけさせてもらいました。
シトウレイ(以下、シトウ):それに、どれも芸が細かいですよね。テンプルの内側の色が変わっていたり、レンズのグラデーションだったり。
中島敏子(以下、中島):そういうところに一つ一つの個性とこだわりを感じますよね。


小谷:ディテールまで丁寧に作られているものって、やっぱり愛おしくて大切に使いたいって思います。
シトウ:こだわり始めるとキリがないんだけど、やっぱりそういうアイテムって特別です。
中島:特に、メガネやサングラスって他のアクセサリーと選ぶ楽しさがちょっと違うよね。
小谷:メガネやサングラスは、自分の視界に入りやすいということもあると思うんですが、特にそれぞれの好みが出やすいですよね。
シトウ:骨格との関わりもあるから、選ぶときはとことんこだわりたい。
中島:そうですよね。最近は、顔写真からAIが"メガネの似合い度"を判定してくれる機能もあるんですって。
シトウ:そうなんですね! ちょっと試してみても良いですか?

シトウ:これはすごい。似合う種類とカラーバリエーションまで提案してくれるんですね!
中島:私は、メガネは試着したい派ですが、これがあればお店での待ち時間や場所を気にせず買えるという圧倒的便利さがありますね。
小谷:オンラインで買うのもいいですが、これを使って、お店に行く前にメガネを掛けた自分を想像できるのはいいですよね。目星が付けやすい。
シトウ:すぐ判定が出るのも面白いですね。ただ、今日はせっかく色々な種類のメガネとサングラスが目の前にあるので、実際にいくつか試着してみたいです。
中島:このピンクフレームのサングラス、シトウさんに似合いそう。ピンクのセーターにもマッチしてますし、うっすらブラウンのカラーレンズも素敵です。
小谷:レイちゃんは、肌が白いのでピンクがより綺麗に映えますね。
シトウ:これは今日のコーディネートにピッタリハマってますね! このラベンダーのメタルも気になります。
小谷:こっちはテンプルのグレーのグラデーションが絶妙で、横から見ても可愛いですね!
中島:さっきも少し話に出たけど、テンプルって自分からだとなかなか見えないけど、他の人からはよく見えているんですよね。
小谷:だからこそ、とても重要。
シトウ:どれも素敵なポイントがあって悩みます。でも、今日の服に合わせるなら、あえてピンクじゃなくてこのリムメタルかな。おおぶりなのに細身なのが今っぽくて好きです。



中島:少しオーバーサイズ感のあるデザインは、近年また注目されていますよね。このサングラスもビッグシェイプのヴィンテージ風で懐かしく感じます。でも、どちらかというと海外のリゾートとか、場所や季節に合わせて選びたくなるデザインですね。
小谷:「ここに掛けて行きたいな」って考えながら選ぶの、私は好きです。
中島:このシルバーが効いているフォックスもカッコいいですよ。
シトウ:また全然違う表情が生まれますね。
中島:なかなか存在感のあるデザインです。それに、今日ここでいくつか試着しましたけど、サイズ関係なくどれも軽いのに驚きました。
シトウ:本当ですね! ずっとかけているものだから、ストレスにならない重さって大切です。
中島:そうですよね。このメガネは、テンプルがメタルでフロントが軽量素材の『Airframe』なんですって。どうりで軽さが違うわけですね。いま持っているJINSの『鯖江メイド』(*JINS座談会前編参照)に加えて、これも毎日掛けたくなるデザインです。



小谷:私はメガネを選ぶとき、ブラウン系のボストンや細身のラウンドをよく選ぶんです。このさりげないブローが特徴的なメガネも、かけている自分がよく想像できます。でも、今日はせっかくお二人とご一緒したので、ご意見を伺いつつ、普段はかけないデザインから自分に似合うものを見つけたいです。
シトウ:このダークグリーンのサングラスなんかどうでしょう?この渋い色使いとちょっとエッジーな感じいいと思います。



小谷:形は少し違いますが、レファレンスとして持ってきた『SOFT BALLET』のメンバー、藤井麻輝さんのサングラス姿(*JINS座談会前編参照)にも通じるものがある気がします。
中島:なかなかお似合いです。レンズがややブラウンなのでメンズライクになりすぎない、丁度いい格好よさがありますね。
シトウ:普段の自分と挑戦したいところのバランスってなかなか難しいですよね。でも、このサングラスは小谷さんらしさも共存している気がします。
小谷:いろんなタイプがあって悩みますし、ついつい自分好みのデザインに目が行ってしまいますが、今日はせっかくだからお二人に太鼓判をもらった、このダークグリーンのサングラスにしてみようと思います!


中島:こうやって、みんなでメガネやサングラスを選ぶと、自分一人では気付けないことも見つかって楽しいですよね。キース・ヘリングの話じゃないですけど、男性はメガネを含めて自分のアイデンティティを作り上げている方が多いと思うんです。でも、女性は色々なメガネを着替えて、毎日のように全く違うキャラクターになりきるのが得意。それこそがファッションの醍醐味ですよね。
編集者、フォトグラファー、そしてモデル。異なるバックグラウンドとスタイルを持つ3人に語っていただいた今回のメガネ座談会。性別や国籍問わず、様々なアイコンに影響を受けながらも、自分らしいスタイルを見出す中島さん、シトウさん、そして小谷さんの会話からは学ぶことが多いです。メガネやサングラスを選ぶとき『似合う、似合わない』という判断に偏りがちですが、シンプルに『楽しい』『可愛い』そして『綺麗』というような気持ちを大切に選ぶのも良いですね。
Cast:Toshiko Nakashima, Rei Shito, Miyu Otani
Photography:Nobuko Baba
Text :Runa Anzai (kontakt)