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超音波洗浄機って?メガネの手入れに便利か解説

2023.06.13

メガネ販売店の店頭などにもある超音波洗浄機は、すっきりと汚れが落ちる様子が見ていても気持ちよく、ご自宅用に購入したいと気になる方もいるようです。ここでは、超音波洗浄機の仕組みや特徴、メガネのお手入れに使用する際の注意点などを解説します。



超音波洗浄機って?

超音波洗浄機とは、超音波を利用してメガネなどを洗浄する機械です。数十秒ほど入れておけば、メガネのレンズやフレームを自動で洗浄してくれます。
メガネ販売店の店頭に置かれていたり、超音波洗浄機を使用してメガネを洗浄してもらったことがある方もいるのではないでしょうか。

しかし、実はどんなメガネにでも使用できるわけではありません。
ここではそんな超音波洗浄機の特徴、メリットとデメリットについてご紹介します。



超音波洗浄機のメリット

超音波洗浄機は、超音波の力を使い、通常の水洗いやブラシなどでのお手入れでは落としきれない汚れを落としてくれます。そのため、人の手で洗うには限界のあるような細かい部分まで洗浄することができます。

人の手の届かない細かい隙間やブラシなどの入らないような部分であっても汚れを落とせます。メガネの鼻あてや蝶番など細かい部分もしっかり洗浄できます。

また、超音波によって気泡のキャビテーション効果で汚れを落とすので、つけ置きなどの時間も不要で短時間で汚れを落とせます。洗剤なしで水だけでも十分汚れを落としてくれるので、顔に乗せるメガネを洗浄するのにも安心です。



超音波洗浄機のデメリット

超音波洗浄機は、微細な振動を与えて汚れを落とします。
そのため、外部からの衝撃に弱いものに使用すると、ダメージを与えてしまう恐れがあります。

また汚れが蓄積されたり細かな傷のついた経年劣化のあるセルフレームなどは、洗浄される部分にムラができてしまうこともあります。
通常の洗浄ムラであれば、位置を変えたりして再度洗うことができます。
しかし、経年劣化のあるフレームの場合には、ダメージを受ける可能性もあるので注意が必要です。

様々な汚れを水だけでも洗浄できる超音波洗浄機ですが、実は油汚れを落とすのにはあまり向いているとは言えません。どうしても油汚れが気になる場合には、水と中性洗剤で洗浄することも可能です。レンズのコーティングにダメージを与えてしまう可能性があるので、お湯を使うのはNGです。



超音波洗浄機の仕組み

超音波の振動と気泡が弾ける際の衝撃波で洗う超音波洗浄機は、メガネ洗浄にも多く用いられます。
超音波洗浄機の使い方は、水と洗浄液と洗浄したい対象を洗浄槽に入れて使用します。
洗浄槽の下部に取り付けられた振動子という機器が、通電すると電気を振動に変換させて超音波を発生させます。
超音波の振動によって無数の気泡を発生させ、その気泡が破裂・消滅するときの衝撃波を洗浄に活用し汚れを浮き上がらせ剥がし落とす仕組みになっています。

この超音波で発生した気泡が破裂する現象のことを「キャビテーション」といいます。
キャビテーションとは、液体の流れの圧力差によって、液体で満たした洗浄槽の中に短時間で気泡の発生と消滅を起こす物理現象のことです。
超音波洗浄機は、主に「キャビテーション効果」を利用して汚れを落とします。

手洗いしにくい小さいものや、複雑な凹凸や細かい溝が多いもの、ブラシなどを入れて洗うことができない細かい汚れも剥がし落とすことができます。

メガネ販売店の店頭などでも見かける機会のある超音波洗浄機ですが、実はメガネ以外のものにも使用することができます。腕時計、指輪やネックレスなどのアクセサリー、入れ歯などの洗浄にも使用することができます。

キャビテーションの気泡による洗浄力・超音波洗浄機の洗浄効果は、超音波の周波数によっても左右され、高周波モデルほど細かな汚れも洗浄可能です。超音波の周波数は低くなるほど発生する気泡が大きくなり、周波数が高くなるほど気泡は細かくなります。
40kHz程度ある高周波モデルならガラス製品や精密機器などの汚れも落とせますが、家庭用として使う場合は20kHz程度のモデルからあり、メガネの洗浄に使用する場合には十分です。

超音波洗浄機の周波数は低いほど強力な粗洗浄になりますが、洗浄対象のものに与える衝撃も大きくなります。逆に周波数が高いほど洗浄力は弱くなりますが、洗浄対象のものへのダメージも小さくなり、細かな汚れを均等に落としてくれます。。洗浄したい対象物に応じた機械選びが重要です。



超音波洗浄機の主な部位

ここでは、超音波洗浄機の主な部位について解説します。家庭用の超音波洗浄機も様々な価格帯で販売されていますが、主な基本構造は以下のような部位で構成されています。


・本体
超音波洗浄機の本体部分の大きさや形状などはメーカーやモデルによって異なります。
家庭向けのタイプは、眼鏡が入る程度の大きさのものが一般的です。また、大容量のものやアクセサリー洗浄のための小型なモデルも発売されています。
タイマーやオートオフ機能、LED付きなど機能も多様です。


・洗浄槽
超音波洗浄機の洗浄槽には、洗浄水と洗いたい対象を入れます。
洗浄水を入れる水位線が表示されていることが多く、水位線以上の洗浄水を入れないように使用しましょう。
洗浄槽が分離式や取り外せるようになっていて、水の入れ替えがスムーズなタイプなどもあります。洗浄槽が取り外せる「洗浄槽分離式タイプ」は水の出し入れがしやすいのが特徴で人気です。


・洗浄カゴ
洗浄槽に合わせた洗浄カゴがついているモデルもあり、細かいものをたくさん洗いたい時に便利です。
排水の際に小さなパーツを誤って流してしまい紛失したりといったリスクに備えることができ、まとめてカゴに入れて洗浄すれば一度に取り出せ便利です。


・アクセサリーホルダー
アクセサリーホルダーが付属している超音波洗浄機は、腕時計や細かいアクセサリーなどを入れて洗浄しやすくなります。
本体部分を濡らすことなく腕時計の金属ベルトを洗うことができたり、小さなアクセサリーに振動で傷がつかないように洗浄することもできます。



超音波洗浄機を使えるもの

超音波洗浄機には、使えるものと使えないものがあります。
一般的には、次のものは洗浄することができます。

  • ・メガネ
  • ・入れ歯やマウスピース
  • ・指輪やアクセサリー
  • ・腕時計の金属バンド
  • ・電気シェーバーの刃
  • ・プラスチックのクシや歯ブラシ
  • ・ガラス類 など

眼鏡は毎日使うものなので、皮脂や埃、様々な汚れなどが付着しています。
メガネ拭きで自分でも拭くことのできるレンズのほかにも、フレームやつるの部分、鼻パッドなどにも汚れが溜まりやすくなっています。鼻パッドや蝶番の小さな隙間・ネジ穴など汚れの溜まりやすい場所の洗浄におすすめです。微細な気泡が隙間に入り込み、汚れを落としてくれます。洗浄後にはネジが緩んでいないかのチェックもしましょう。

メガネは精密機器ですので細かいパーツや溝なども多く、メガネ拭きのクロスやブラシを使っての自己流お手入れや掃除だけで汚れを落とし切るのは簡単ではありません。
そんな時には超音波洗浄機での洗浄がおすすめです。



超音波洗浄機が使えないレンズやフレーム

超音波洗浄機には使用できないものがあります。宝石類・木製品・傷があるもの・真珠・べっ甲・腕時計の本体・偏光レンズ付きサングラスなどには使用できません。ここでは、超音波洗浄機が使えないレンズやフレームについて詳しくご紹介します。



レンズ

レンズの状態やコーティングなどによっては、超音波洗浄機を使わないほうが良いケースもあります。レンズにキズがついている場合などには、使わないほうが良いでしょう。
超音波洗浄機を使って綺麗にお手入れするはずが、むしろダメージを与えてしまうこともあります。

例えば、傷やひびの入ったレンズも超音波洗浄機での洗浄に不向きです。そこから表面のコーティングが剥がれてしまうことがあります。一見汚れにみえても実はレンズの傷であることもあるので、むやみに超音波洗浄器を使う前にレンズの状態をよくチェックしましょう。

また、偏光レンズは水に弱い性質があり、偏光フィルムの剥がれや変形、レンズの色抜けなどの劣化が起こる可能性があるので、超音波洗浄機の使用はおすすめできません。



フレーム

フレームの素材や状態によっても、超音波洗浄器を使わないほうが良いケースもあります。
以下の素材を使用したフレームはおすすめできません。

  • ・木製
  • ・革製
  • ・べっ甲
  • ・その他天然素材

プラスチックとは異なり、超音波を通さないので、超音波洗浄機を使用しても洗浄効果が期待できません。それどころか、天然素材などは水に弱いので、むしろ劣化してしまう恐れがあります。また、塗装剥がれなどの原因にもなりかねません。


・銀製
銀製のフレームは超音波洗浄機を使うと光沢が消えてしまう恐れがあります。


・メッキ加工
超音波洗浄機では、プラチナ・シルバー・ゴールドなどといった金属類も洗浄可能で、これらの素材のメガネやアクセサリー・腕時計のベルトの洗浄もできます。しかし、メッキ加工されているものは超音波洗浄機で洗浄すると、メッキが剥がれてしまうこともあります。



超音波洗浄機でメガネを洗う方法

ご家庭で超音波洗浄機を使用してメガネを洗浄する場合は、水道水だけで洗浄しても十分汚れは落ちます。汚れがひどい場合には洗剤を入れて洗浄すると頑固な汚れも落としやすくなります。超音波洗浄機専用の洗浄剤を用意でない場合には、家庭用の中性洗剤を数滴加えて洗浄も可能です。

使用方法は、以下になります。

  • ・水または洗浄水(水と洗剤)を入れた洗浄槽にメガネを入れる
  • ・電源を入れ、洗浄する
  • ・洗浄が終了したら水道水ですすぐ
  • ・柔らかい布などで水気を拭き取る

汚れが落ち切っていない場合には、洗浄水を入れ替えて再度洗浄します。
ただし、洗浄のし過ぎなどはレンズにもフレームにもダメージを与えるので、あまりおすすめできません。

また、洗える素材や状態なのか判別が難しいと感じる際にも、手洗いにしておくのが無難です。不安なときは自己判断せずに、メガネ専門店などへ相談するのが安心です。



超音波洗浄機をメガネに使う際の注意点

メガネの他にも様々なものを洗えて便利な超音波洗浄機ですが、ここまででご説明してきたように、状態や素材などによっては洗えなかったり、むしろ傷やダメージが加わってしまう場合もあります。ここでは、超音波洗浄機をメガネに使う際の注意点について、さらに詳しくご紹介します。

長期間使用したフレームは、経年劣化などダメージが積み重なっていることがあります。
そのため、超音波洗浄機に入れることで振動によって新たな傷がついたり、最悪の場合ひびが広がり破損したりすることもあります。長年使っているフレームの場合は、取り扱いがデリケートなので、素材に関係なく超音波洗浄機の使用はおすすめできません。



超音波洗浄機を使わないメガネの洗い方

超音波洗浄機は短時間で簡単に細かい汚れまで落とせて便利ですが、洗浄力が高いので使用する際は注意も必要です。そのため、日常的なお手入れは手洗いで、特に気になる汚れに対しては超音波洗浄機をと使い分けるのがおすすめです。

超音波洗浄機を使えないメガネのおすすめの洗い方

  • 1. 常温の水で洗い流す
  • 2. ティッシュを軽く押し当てて残った水分を吸い取る
  • 3. レンズクリーナーをレンズの両面に吹きかける
  • 4. 親指と人差し指でレンズをやさしくはさみ、クリーナーを伸ばす
  • 5. ティッシュペーパーに吸い込ませるように、軽く押しあてながら拭き取る
  • 6. メガネ拭きを使って、レンズとフレーム全体や鼻パッドを拭き上げる

手洗いをすればメガネのレンズがキズつくことも、ネジがゆるむ心配もありません。



メガネをきれいに保つための拭き方

メガネをきれいに保つためには以下の拭き方も参考にしてみてください。

  • 1. レンズに触れないようにやさしくフレームを持つ
  • 2. レンズから2~3cm離してレンズクリーナーを吹きかける
  • 3. 親指と人差し指でレンズをメガネ拭きでやさしくはさむ
  • 4. レンズの中心から外側に向かって、強くこすらず、拭き取る

日常的に適切なお手入れができるように習慣づけることで、過度な汚れの蓄積も減り、お手入れ中に傷などをチェックすることもできます。

レンズクリーナーはメガネ販売店はもちろんインターネット通販でも簡単に購入することができます。
また、メガネ拭きのクロスも購入可能です。クロスは汚れた状態ではむしろ汚れを塗り広げることになってしまいますので、きちんと洗濯して清潔な状態のものを使用しましょう。



まとめ

日常的にレンズやフレームのお手入れを習慣づけましょう。
日常的には手洗いで清潔に保ち、それと併せて、定期的なメンテナンスでメガネ販売店を訪れた際などに超音波洗浄機でクリーニングしてもらうのがおすすめです。
より効果的に汚れを落として眼鏡を長く清潔に保つことができます。

落ちない汚れが気になる、汚れか傷か判断がつかないといった場合など、違和感や疑問を感じたら、メガネ販売店でプロに相談するのがおすすめです。

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【Staff credit】「JINS Editorial Department」(JINS編集部)

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