べっ甲を模して作られた「べっ甲柄(デミ柄)」は、メガネフレームの定番カラーのひとつです。褐色とアメ色が混ざりあった独特の色合いはクラシックで上品。性別や年代を問わず使え、きれいな装いはもちろん、カジュアルにも似合います。夏とは気分を変えて、落ち着いた格好がしたくなる秋にもぴったり......というわけで、メガネ好きのスタイリスト金田太郎さんが、べっ甲柄メガネが映える秋のコーディネートをスタイリング。今回は〈メンズ編〉をご紹介します。
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装いにニュアンスを足すべっ甲柄メガネは、垢抜けの頼れる味方!
今のトレンドは、ベーシックを少しだけアレンジするのが主流。例えば、ブルゾンを合わせていたところをカーディガンに変えたり、小物をひとつ足して新鮮に見せたりといった具合です。メガネは、主張のあるデザインならそれ自体がアクセントになるし、プレーンなタイプをさりげなく合わせて装いを引き締めるのにも好都合。オン・オフ両方使えますし、気負わず取り入れやすい小物だと思います。
べっ甲柄は、黒やメタルと比べて少しだけ主張があり、独特のニュアンスが出るのが魅力。それでいて、肌なじみがいいのでかけやすいんです。JINSのフレームは、素材感はクラシックですが、形は今っぽくアップデートされているので、古い印象にならず"ちょうどいい感じ"に。太いとトラッドな雰囲気、細いとソフトで繊細な雰囲気が出ます。
Stylist:金田太郎
ブロータイプのべっ甲柄は
アクセントとして重宝
ブロータイプのべっ甲柄は
アクセントとして重宝
「ネイビージャケットのジャケパンスタイルはこの秋人気。デニムシャツやカーキのパンツといったワークテイストを合わせると少しラフな雰囲気ですが、ここにカチッとしたブロータイプのメガネを合わせると印象がぐっと締まります。ブロータイプはいろんな服に合わせやすく、アクセントとして活躍するので1本持っていると便利です」
Point!
「ブロータイプは上部にボリューム感があり、黒だと主張が強め。べっ甲柄は肌なじみがよく印象がソフトなので、初めてブロータイプをかける方にもおすすめです。こちらはアセテート素材ならではの美しい光沢や質感のよさも魅力」
異素材コンビのべっ甲柄で
セットアップに奥行きを出す
異素材コンビのべっ甲柄で
セットアップに奥行きを出す
「ゆったりした白のセットアップは大人っぽさとストリート感が同居。オレンジのインナーやざっくり素材のハットで遊びを入れつつ、細身のフレームとメタル使いが上品なべっ甲柄のウエリントンで落ち着かせました。セットアップは、コーデが決まりやすく便利な一方、そのまま着るだけだと少しのっぺりしがち。そんな時にメガネを足すと装いに奥行き感が出て垢抜けます」
Point!
「このメガネは適度に丸みのある形と、細めのアセテートフレームが顔なじみのいいウエリントン。テンプルにメタル素材(βチタン)を配したコンビタイプは、カジュアル感と上品さがほどよくミックスされ、装いを選ばず使いやすい1本。」
トレンドのゆるカーデを
メタル使いのべっ甲柄で引き締め
トレンドのゆるカーデを
メタル使いのべっ甲柄で引き締め
「オーバーサイズのカーディガンはトレンドのひとつ。ブルゾンやジャケットの代わりに羽織ると新鮮さが出ます。冬はコートの下に着られるし1枚あると便利ですよ。スタイリングはカジュアル過ぎず、おとなし過ぎずがいいバランス。ここではきれいめワークパンツとスニーカーを合わせました。これだけでも素敵ですが、顔まわりに小物を足すと、よりしゃれた雰囲気に。コーデと調和する、メタル使いの繊細なメガネを選びました」
Point!
「かっちりした印象になりがちなメタルフレームですが、こちらは大ぶりのサイズと丸みのあるボストンが適度にリラックスした雰囲気。レンズの周囲とテンプルにべっ甲調の柄が入っています。メタルとアセテートを組み合わせた内セル巻きと呼ばれる凝った仕様も魅力です」
べっ甲柄(デミ柄)は、メガネ以外ではなじみの薄い柄かもしれませんが、メガネでは意外となじみよく使用できる定番の色のひとつです。なおJINSでの色表記は主に「ブラウンデミ」で、大部分のフレームで展開しています。
ちなみに「べっ甲」とは何かご存じですか? 答えは熱帯に生息するウミガメの一種・タイマイの甲羅を加工したもの。甲羅は1枚1枚が非常に薄くて柄が異なり、幾重にも張り合わせることで独特の模様となるため、昔からメガネの素材として使われていました。そんな古くから人々を魅了してきたべっ甲から生まれたべっ甲柄メガネ、秋の着合わせアイテムとして試してみてはいかがでしょうか。