JINS WEEKLY編集部のS太です。
マスクをしている時や室内外の温度差、温かい料理を食べた時などメガネが曇ってしまう場面は多々あります。そこで便利なのがレンズ自体に加工を施す曇り止めコーティングです。
曇り止めスプレーのように頻繁に塗り直す手間が少なく手軽にケアできるため、曇り止め加工のレンズを選ぶ方が増えています。
今回はレンズの曇り止め加工の仕組みと、コーティングの種類別にメンテナンス方法や注意点をご紹介します。
1.メガネの曇り止め加工の特徴
曇り止め加工のコーティングは2種類
塗り直しの頻度が減る
他のコーティングを付けられない場合がある
2.曇り止め加工①.親水性コーティングの特徴
親水性コーティングの仕組み
効果の持続期間
お手入れ方法
注意点
3.曇り止め加工②.吸水性コーティングの特徴
吸水性コーティングの仕組み
効果の持続期間
お手入れ方法
注意点
4.まとめ
1.メガネの曇り止め加工の特徴
レンズに直接、曇り止め加工を施すことには多くの利点があります。まずはメガネの曇り止め加工の特徴を確認します。
曇り止め加工のコーティングは2種類
レンズへの曇り止め加工には、親水性と吸水性の2種類あります。加工後も見た目に大きな変化はありませんが、曇りを防ぐ仕組みや取り扱い方法が異なります。
そのため、それぞれの加工方法の特徴や違いを踏まえて、自分に合ったものを選ぶ必要があります。
塗り直しの頻度が減る
曇り止めコーティングを施すことで、これまで曇り止めスプレーを塗っていた時間を削減できます。
大抵の曇り止めスプレーは持続時間が短く、ほぼ毎日のように塗り直す必要があります。定期的にスプレーを塗り続けるのは思いのほか手間です。
親水性コーティングの曇り止め加工のレンズならば、防曇効果が薄れてきた時のみ液剤の付いた専用メガネ拭きで拭き上げるだけです。吸水性コーティングに至っては特別なメンテナンスは必要なく、普段のメガネのケアのみで十分使用できます。
他のコーティングを付けられない場合がある
曇り止めコーティングはレンズの表面を加工するため、他のコーティングが付けられない場合があります。
コーティングの種類は、反射を防止するものやホコリが付きにくいものなど、様々なものがありますが、これらがつかないことにより、一般的なレンズと比較すると汚れや傷が付きやすい、反射しやすく視界に影響するといったケースも否定できません。
これらのデメリットも踏まえたうえで、曇り止め加工を施したメガネを選択することをおすすめします。
2.曇り止め加工①.親水性コーティングの特徴
曇り止め加工の1つである親水性コーティングの特徴やお手入れ方法、注意点をご紹介します。
親水性コーティングの仕組み
親水性コーティングは、水の表面張力をなくす効果のある界面活性剤をレンズ表面にコーティングすることで曇りにくくする仕組みです。
レンズが曇る原因はレンズ表面に付着した細かい水滴です。この水滴に光が乱反射すると白く濁って見える、つまり曇って見えます。
親水性コーティングを施していると、レンズに水滴がついても界面活性剤によって薄く均一に広がるため、光が乱反射しにくくなり曇りを防ぎます。
効果の持続期間
製品や使用状況にも依存しますが、2~3年程度は防曇効果を保てるでしょう。曇り止め用の液剤がしみ込んだ専用のメガネ拭きが用意されており、定期的に拭き上げることで防曇効果を持続できます。
なお、メガネ拭きの液剤は徐々に乾燥していくため、1年程で交換が必要です。
お手入れ方法
親水性コーティングは液剤の付いた専用のメガネ拭きでの定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスといっても非常に簡単です。水洗いでほこりや汚れを流して水分を拭き取り、その後専用メガネ拭きで拭き上げるだけで完了します。
注意点
専用メガネ拭きを洗濯すると、液剤が流れてメガネ拭きの効果が消失する点には注意が必要です。レンズは水洗いできますが、メガネ拭きは洗えません。
また、撥水コートが施されていないため、汚れが付きやすいという点も理解しておきましょう。水ヤケといって、レンズに残った水の跡もシミになりやすいため、濡れた場合は早めに拭き取る必要があります。
3.曇り止め加工②.吸水性コーティングの特徴
次に吸水性コーティングについてご紹介します。同じ曇り止め加工でもその仕組みは大きく異なります。
吸水性コーティングの仕組み
吸水性コーティングは、水分を吸収する透明な膜でレンズ表面を覆い、水滴の付着を防ぎます。レンズ表面に付着した水分は水滴にならず吸水されるため、レンズが曇りにくくなるという仕組みです。
コーティングに吸収された水分は時間とともに乾燥、蒸発します。そのため、こまめなメンテナンスをせずとも吸水性能が保たれます。
効果の持続期間
製品によって差異はありますが、2年程は防曇効果が持続するようです。ただし、コーティングは徐々に剥離するため、時間経過とともに効果を感じにくくなる場合があります。使用状況によっては想定より早く劣化してしまうことがあるので、約1~2年を目安にみておくと良いでしょう。
お手入れ方法
親水性コーティングのような特別なメンテナンスや専用グッズは不要ですが、加工面の劣化を防ぐため、汚れや水の拭き取りといった通常のお手入れは必要です。
水洗いをした後は、乾いたメガネ拭きやハンカチで水分を取り除きます。この時、レンズに傷がつかないように、軽く叩くようにして拭くのがコツです。
注意点
吸水性コーティングには、反射防止コートを施せない場合があります。その際、通常のレンズよりも映り込みやギラつきが気になるかもしれません。
JINSでは吸水性ウレタン樹脂層が水分を吸収して曇りを防ぐ「くもり止めレンズ」をご用意しております。表面は撥水層があるため汚れが付きにくく、吸水性タイプなので専用メガネ拭きでのメンテナンスも一切不要です。
屈折率1.60と1.67から選べてオプションレンズ代5,500円(税込み)のみで、どんな度数でも追加料金なしで超薄型非球面レンズにも対応可能です。 メガネがすぐ曇る、頻繁な曇り止めケアから解放されたいという方はお気軽にご相談下さい。
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4.まとめ
レンズの曇り止め加工には親水性コーティングと吸水性コーティングの2種類があります。
親水性コーティングは界面活性剤を使用して、曇りの原因となる水滴が付着するのを防ぎます。ただし、液剤が染み込んだ専用メガネ拭きでのメンテナンスが不可欠です。
一方、吸水性コーティングは吸水層で水分を吸収して曇りを防止する仕組みであり、特別なお手入れなしで防曇効果を保てます。
曇り止め加工を施すと付けられないコーティングもあるため、レンズの反射や水ヤケ、汚れに注意が必要です。しかし、防曇スプレーなどで毎日こまめにケアする煩わしさを軽減できる利点は大きいでしょう。
JINSでは吸水性コーティングのレンズを取り扱っているため、メガネの曇りにお困りの方には是非「くもり止めレンズ」をおすすめします。

JINS WEEKLY編集部 S太
JINS歴12年。メガネ保有数100本超え。偏光レンズの良さを広めたい。