JINS WEEKLY編集部のN輝です。
偏光サングラスは反射光やギラつきを抑えるという特徴から、「対向車のライトや照り返しといった眩しい場面の多い運転時にも便利そう」と思いませんか?
確かに偏光サングラスを運転時に使用するメリットは大きいといえるでしょう。ただし、レンズの特性上、デメリットもあるので注意が必要です。
今回は運転時に偏光サングラスをかけることのメリット、デメリットと選ぶときのポイントを解説していきます。
1.偏光サングラスを運転で使うメリット
視認性のアップ
乱反射光による眼への負担を軽減できる
2.偏光サングラスを運転で使うデメリット
カーナビや計器の液晶画面が見づらくなる
熱強化ガラスの窓だと視界に影響が出る
3.運転に適した偏光サングラスの選び方
可視光透過率は使用する時間帯で選ぶ
レンズの色はグリーン・グレー・ブラウン・イエロー
4.より安全性を高めるなら運転専用のサングラスを選ぼう
5.まとめ
1.偏光サングラスを運転で使うメリット
運転時の偏光サングラス使用にはどのようなメリットがあるのでしょうか?まずは偏光サングラスが活躍するポイントを紹介します。
視認性のアップ
偏光サングラスの着用で、視認性が高まる効果が期待できます。
偏光サングラスにより車のボディやガラスで反射した照り返しを軽減できるので、前の車のブレーキランプや対向車のドライバーの目線を捉えやすくなります。また、反射光によるフロントガラスやメーターパネルへの映りこみも抑えられるため、前方の視界や計器の見やすさも増すでしょう。
ほかにも、道路標識やぬれた路面での反射光など、運転中に視界が悪くなる場面はたくさんありますよね?偏光サングラスを使えばギラつきを抑えた視界を確保できるので、事故防止にもつながります。
乱反射光による眼への負担を軽減できる
偏光サングラスにより、乱反射光による眼への負担を軽減できる可能性があります。
大阪市立大学 名誉教授 井上正康氏のチームによる実験よると、乱反射した光が眼に入ると強い疲労やストレスを引き起こすことがわかっています。そこで、乱反射光を偏光サングラスで防いだところ、疲れやストレスが改善したとの報告がありました。
運転中は様々な情報を瞬時に処理して動作する必要があるため、ちょっとした疲労でも不注意につながりかねません。乱反射光による眼への負担軽減を期待できる偏光サングラスを取り入れて、より安全で快適なドライブを実現しましょう。
2.偏光サングラスを運転で使うデメリット
便利な偏光サングラスですが、運転時の使用で感じるデメリットもあります。
カーナビや計器の液晶画面が見づらくなる
偏光サングラスをしていると、見る角度によっては液晶タイプの計器やカーナビの画面が見づらくなってしまう場合があります。これは液晶画面に搭載した偏光フィルターが、サングラスの偏光フィルムと干渉してしまうからです。
デジタル式のルームミラーや液晶メーターなど、デジタル仕様の計器を搭載した車に乗っているお客様も増えているのではないでしょうか?運転席と液晶の位置関係によっては、偏光サングラス越しだと画面が真っ暗に見えてしまうこともあります。
画面をはっきり見ようとして前方への注意がおろそかになってしまっては、事故につながりかねません。事前にモニターとの相性に問題がないか確認する必要があります。
熱強化ガラスの窓だと視界に影響が出る
フロントガラスに熱強化ガラスを使用している場合、偏光サングラスを通して見るとひずみのような模様が浮かび、見通しにくくなることがあります。
ただし、「道路運送車両の保安基準」により、1987年9月以降は車のフロントガラスに合わせガラスを使用することが義務付けられています。そのため、現在流通しているほとんどの車については心配する必要はありません。
1987年以前に製造された車やクラシックカーでは熱強化ガラスをフロントガラスに使用している可能性があるため、注意したほうがいいでしょう。
3.運転に適した偏光サングラスの選び方
これらのメリット、デメリットを踏まえ、運転しやすい偏光サングラスの選び方を紹介していきます。
可視光透過率は使用する時間帯で選ぶ
レンズが光を通す割合を表した可視光線透過率は、使用する時間帯に合わせて選ぶ必要があります。
日本産業規格(JIS)では2018年10月の改定により、運転用レンズの可視光線透過率は「昼間は8%を超えていること」、また「夜間は75%以上であること」と規定しています。ただし、8%は普通のカラーレンズでもかなり暗く、人によっては昼間でも通行人や信号など見づらいと感じるケースもあるでしょう。
乱反射を防ぎ視認性をアップする効果がある偏光レンズであれば、透過率20%~30%くらいのものを選んでも効率よく眩しさをおさえてくれます。夏場や路面の照り返しが強い環境などであれば透過率15%前後くらいを目安にするのがおすすめです。
また、夜間の運転用は眩しい対象が、対向車のヘッドライトなどであり、安全の為に視界の明るさはある程度確保した方が良いので、別に用意するのがおすすめです。
レンズの色はブラウン・グレー・グリーン・イエロー
サングラスのレンズは色によって光を抑える効果に違いがあるとご存知ですか?運転するシーンを思い描きながら選ぶとより一層使いやすくなります。
例えば、昼間だとグリーンやグレー、ブラウンがおすすめです。眩しさを防ぎつつ、信号や周囲の風景も見やすいはずです。夜間や薄暗い時間帯ならイエローがおすすめです。イエローは青色光をカットするので、対向車のヘッドライトが気になる夜の運転で活躍します。
各レンズカラーの効果と使用に適した時間帯を下記の表にまとめました。
レンズの色 | 時間帯 | 効果 |
---|---|---|
ブラウン | 昼 | 眩しさを防ぎ、遠くの景色もすっきりとさせるヘイズカット効果が期待できる。 |
グレー | 昼 | すべての波長帯での光量を抑えるので、色調の変化が少なく自然な見え方ができる。 |
グリーン | 昼 | 光の波長を平均化し、ソフトな見え方にする。 |
イエロー | 夜 | 車のヘッドライトが発するブルーライトをカットし、視界のコントラストを高める。 |
レンズの色 | 時間帯 | 効果 |
---|---|---|
ブラウン | 昼 | 眩しさを防ぎ、遠くの景色もすっきりとさせるヘイズカット効果が期待できる。 |
グレー | 昼 | すべての波長帯での光量を抑えるので、色調の変化が少なく自然な見え方ができる。 |
グリーン | 昼 | 光の波長を平均化し、ソフトな見え方にする。 |
イエロー | 夜 | 車のヘッドライトが発するブルーライトをカットし、視界のコントラストを高める。 |
リムが細いフレームにする
リムが細いフレームを選ぶと視界を遮りにくくなります。
車の運転中、フロントピラーやサイドミラーなど、ちょっとした死角でヒヤリハットを経験したことはないでしょうか?太いフレームのサングラスも、視線を横にずらした際に死角を作り出してしまう可能性があります。
なるべくリムやテンプルが細く、視界を妨げないものを選ぶのがポイントです。ただし、リムレスやハーフリムは偏光レンズに対応していないので注意しましょう。
4.より安全性を高めるなら運転専用のサングラスを選ぼう
偏光レンズは可視光線透過率やレンズカラーなど、考えるポイントが多くてわからなくなってしまった、という方もいるのではないでしょうか?また、液晶画面と干渉する点などに不安を感じる方もいることでしょう。
そこで、より安全を確保したい方におすすめなのが、運転専用に特化した「JINSドライブレンズ」です。
ドライブレンズには「ドライブデイ」と「ドライブナイト」の2種類があり、運転する時間帯によって使い分けられます。昼専用の「ドライブデイ」は可視光線通過率38%で色の変化が少ないレンズで、自然な視界を得られるため日中の運転に適した作りです。
夜間の運転に特化した「ドライブナイト」は可視光線通過率85%のレンズで、対向車のヘッドライトや街灯の眩しさを抑えつつ、運転時の視界の明るさも確保可能です。
それぞれの時間帯に適切な性能を備えたJINSドライブレンズは、運転時の視認性を向上し快適なドライブをサポートしてくれるでしょう。
※JINSのドライブレンズは偏光レンズではありません。
5.まとめ
車の運転中、車体で反射した光やフロントガラスへの映り込みで、前方が見にくくなった経験はありませんか?偏光サングラスは乱反射した光をカットできるので、視認性を高める効果が期待できます。また、乱反射光による眼への負担を軽減できる可能性があるため、快適なドライブにつながるはずです。
ただし、液晶画面や熱強化ガラスを通した景色は見えづらいことがあるため、運転に支障がないか事前に確認しておきましょう。
運転用の偏光サングラスは昼と夜で使い分ける必要があります。昼間なら可視光線透過率が20%~30%程度で、レンズの色はブラウン・グレー・グリーンがおすすめです。夜間は可視光線透過率75%以上で、イエローのレンズカラーが最適です。
また、死角が生まれないようにリムの細いフレームを選ぶことも大切です。

JINS WEEKLY編集部 N輝
JINS歴8年。メガネ保有数73本。最近はカラーレンズがマイブーム。