9月1日は「防災の日」です。一人ひとりが災害への認識を深め、対処する心がまえを持つことを目指して設けられたこの日は、改めて自身の備えを考えるのにいい機会です。
一般的な「災害への備え」ではあまり大きく語られませんが、普段メガネやコンタクトを使っている人にとって、メガネは最優先で準備しておくべきものです。この記事では、日頃から無理なくできる「備え方」や「考え方」を、防災収納インストラクターの松永りえさんにうかがいました。
後半では、JINSのメガネから「万が一の備え」に適した商品を紹介します。こちらもあわせてチェックを。
\ 教えてくれた人 /

防災収納インストラクター/松永りえさん
2016年の熊本地震で被災した経験を通し、防災と収納を組み合わせた"命を守る片付け術(防災収納)"を発信。生活のなかで無理なくできる、実践的な防災のノウハウや考え方を広く伝える活動を行なっている。
まず備えるべきは「体の一部」となるもの。
被災した瞬間からメガネは必須です
日頃から、防災をテーマにした講演やセミナーを行う機会が多い松永さん。万が一の備えを考える際に、まず意識してほしいキーワードがあるといいます。
「『防災リュックに入れるもの』を考える際に、絶対に『体の一部』となるものは忘れないでください、とお話しします。視力の悪い方はメガネ、ご高齢の方は入れ歯や持病のお薬といったものです。女性の場合は眉ペンシルなど、最低限のメイク道具ということもありますね。これらはご本人にとっては必要不可欠ですが、救援物資などですぐ入手できません。もしも持っていないと、不便なのはもちろんのこと、非常事態に精神面でも大きなストレスとなってしまいます。
『体の一部』は一人ひとり違いますから、一般的なマニュアルには書かれていないことが多い。ですので、各自が考えて用意する必要があります」(松永さん/以下同)
モノが見えにくい人や視界がボヤける方にとっては、メガネはまさに体の一部。被災した瞬間から「危険を避け、安全な場所へ避難する」「スマホで情報を入手する」など、目から情報を受け取る場面はとても多く、普段通りの見え方を確保することは必須です。普段コンタクトレンズを使用している人も、安全面や衛生面を考えると、メガネをメインで使用するのがおすすめ。メガネは必ず用意しておきましょう。

家にあるリュックにメガネと水を入れる。
「やってみる」ことが大切な一歩です
「メガネは絶対必要だし、万が一の備えも必須なのはわかっている。『やらなきゃ』と思っているけれど、まだできていない」という人は意外と多いもの。
「多いですね(苦笑)。ですが『やらなきゃ』と思うのも、立派な一歩。あとは行動に移すだけです。『防災への備え』というと、何か特別に感じるかもしれませんが、普段の生活の延長にあるんです。
例えば、メガネなら、買い替えて使う機会の減ったメガネが引き出しの奥に眠っていませんか? まずはそれを防災リュックの中に入れてみる。防災リュックは専用のものでなく、使わなくなったリュックで代用できます。さらに500mlのペットボトルの水数本と、日持ちする好きな食べ物を入れる。非常時に好物があると、メンタルが安定しますから。これだけでも上出来です。実際に行動に移すことで、安心につながりますし、意識もより高まります。
そして防災リュックをつくったら、置く場所にもひと工夫。玄関など、家族みんながすぐに持ち出せる場所に置いておくのがおすすめです」
なお、メガネに余裕があったら、車の中に入れておく※のも手。「運転中に被災することもありますから。予備のメガネを車内に置いておくと安心です」
また、防災リュックに加えて、松永さんが提案しているのが「防災ポーチ」。
「マスク、小銭、羊羹などちょっとした食べ物といった、万が一の時に最低限あると助かる品を入れたポーチを普段から携帯しています。『ゲリラ豪雨で長時間電車が止まってしまった』なんて時も、持っていると頼りになりますよ」
※フレームの素材によっては熱や光に弱く、車のダッシュボードなど直射日光の当たる場所にはおかないでください。また、レンズは急激な温度差や60°以上の高温にさらさないようご注意ください。
さらに、小さな子どもがいるなど「もっとしっかり備えたい」という場合は、自宅に1週間分の飲料水(目安は1人1日あたり3ℓ)と非常食などを用意しておけばベター。
「一ヶ所にまとめるより、いくつかに分けて置いた方が、収納スペースを取らないので準備しやすいです」

万一の備えは未来の自分への贈り物。
感謝する時がくるかもしれません
松永さん自身も2016年の熊本地震で、震度6強の震災に見舞われた経験を持っています。
「『まさか熊本でこんなに大きな地震が起こるとは』と驚きましたが、実は古い文献にも地震の被害が記されているんです。現在日本では、30年以内の地震発生確率が高い『危険度Sランク』の活断層が全国で32ヶ所あります。住んでいる地域の災害関連情報を調べてみるのも、防災への備えのひとつです」
またご自身が被害に遭って痛感したのが「整理整頓の大切さ」。
「無駄なものを極力減らし、必要なものをすぐに手に届くところに置いておくことが、普段の暮らしだけでなく、万が一の時にも大切だと感じました。日々の暮らしを整えていくことが、防災につながります。将来の自分に贈り物をする気持ちで、まずは片付けから始めてはいかがでしょうか。災害は起こってほしくはありませんが、不測の事態では、過去の自分に感謝するのではと思います」

「万が一」に備えるなら、このメガネ
□手のひらサイズのコンパクトさが優秀!

ブリッジ部分で二つ折りにすることができるユニークなメガネ。ケースに入れても手のひらサイズです。
「コンパクトさに驚きました。かさばらないので防災ポーチにも入れておけそうです。おしゃれな形でかけ心地もいいですね」(松永さん/以下同)
□「もっとも壊れにくいメガネ」は非常時にも活躍

独自開発した上下左右に動くヒンジにより耐久性が大幅に向上。片手でかけ外ししてもテンプルがゆるみづらく、軽いかけ心地でフィットします。
「災害では自分もメガネも思わぬ状況になるもの。かけている時も外している時も、壊れにくいのはありがたいですね」
□屋外で長時間過ごす時にも頼れる「1本2役メガネ」

1本でサングラスとメガネの2役になる「JINS Switch」。こちらは跳ね上げ式のプレートで、サングラス⇔メガネの変更がとても簡単なのも魅力。
「被災時は、給水所やトイレ待ちの行列、家の片付けなど、屋外で過ごす時間が増えます。サングラスとしても使えるのは重宝しますね」
□レンズにプラスしたい「無敵コーティング」

メガネ購入時に、オプションとしてつけられる「無敵コーティング」(+¥5,500〜)は、レンズに特殊な表面処理技術を施すことで、傷や付着物がつきにくくし、反射を抑えてクリアな視界をキープ。普段から快適に使え、万が一の時の備えにもなります。
誰しも災害は起こってほしくはありませんが、最近は、地震や豪雨、台風など、日本各地で自然災害が発生しているのも事実。決して他人事ではありません。生活空間を見直し、整えながら、万が一に備えるのは、普段の快適な暮らしにもつながります。
まずは「体の一部となる、自分にとって欠かせないものを考える」「手持ちのメガネを利用して防災リュックを準備してみる」「身の回りを整理し、不要なものを少しでも減らす」といった、すぐできることから始めてみてはいかがでしょうか。もし、メガネで不安なことやわからないことがあったら、お近くのJINSのお店へお気軽にご相談ください。