店舗で選ぶ時やネット通販でのメガネの購入時にも役に立つ、メガネの各部位の名称や役割を解説します。似合うメガネの選び方やポイントもあわせて参考にしてみて下さい。
メガネの部位とそれぞれの役割
メガネの部位とそれぞれの役割を説明します。精密な部品の組み合わせで出来ていて、メンテナンス等は専用工具でおこなわれます。
①智(ヨロイ)
智は(ち)と読みます。智元(ちもと)、ヨロイとも呼ばれるパーツです。リムと丁番(蝶番)をつなぐ働きで、メガネの両サイドの位置で使われます。メガネの調整の際にも確認するポイントのひとつです。
②レンズ
レンズはその名の通り、左右のレンズを意味します。視力矯正の目的の度付きのレンズにも種類が多く、また遠近両用の累進レンズなど機能も様々です。
サングラス用のカラーレンズも、調光や偏光、ミラーなど種類は様々です。また、フレームカーブに合わせてレンズカーブを選んだり、度数と希望に合わせて厚みを選べる場合もあります。
③ブリッジ
ブリッジは左右のレンズをつなぐパーツです。メタルフレームの場合には、多くは1本で溶接されていますが、ツーブリッジなどのデザインのものもあります。また、セルフレームでは鍵穴のようなデザインのキーホールもクラシックで人気です。
④リム
リムはレンズを囲う枠になるパーツの名称です。リムの内側に溝があり、そこにレンズをはめこんでレンズを着脱します。
レンズの周りをすべて囲うものはフルリムのタイプで、デザインや形状によってはハーフリム、アンダーリムなどの種類もあります。
⑤丁番(ヒンジ/ジョイント)
丁番(ヒンジ/ジョイント)は、智とテンプルを接合しているパーツです。調整次第でテンプルの開閉具合が変わるので、かけ心地などにも大切で、手作業で仕上げる職人が多いのが特徴です。
ネジ式のものが一般的でしたが、かけ心地の向上などを目指し、バネ蝶番や特殊な構造の丁番やヒンジも開発されています。
⑥先セル(モダン)
先セル(モダン)は、テンプルの耳にあたるあたりから先端部分を指します。その位置をカバーするようなデザインのパーツを意味する場合もあります。
メタルフレームやコンビネーションフレームのテンプル先端などにあり、以前は素材によっては経年で繊維縮みなどもあり、交換できるタイプのデザインもありました。
⑦テンプル(ツル)
テンプルは耳にかけるパーツ全体のことを指します。ツルとも呼ばれるパーツです。
フレームの左右から伸びる2本のテンプルは、セルやメタル、細いタイプや太いタイプなど素材やデザイン、形状も様々です。
左右の耳の高さや奥行きの位置は対照ではなく千差万別ですので、一人ひとりに快適なかけ心地のためにテンプルを専用の工具などで調整します。それによって、レンズのアイポイントと黒目の位置、眼とレンズの距離、ズレない固定の度合いやフィット感などを調整できます。
⑧ノーズパッド
ノーズパッドは、メガネを鼻に固定させるためのパーツで、鼻あてや鼻パッドとも呼ばれます。メガネがズレないためのフィット感や、レンズと目の距離や黒目の位置を適切に合わせてくれます。まつげがレンズに当たる、頬が当たってレンズが曇るといった悩みも解消できて、既製の鼻あての他に、加工で高さや形状を変えることもできます。
⑨パッドアーム(クリングス)
金属製で鼻元のフィット感を調整できるタイプはクリングスと呼ばれ、セルフレームのリムに直接ついている同素材の鼻あてよりも、より細かに調整ができるのが特徴です。
パッドアーム(クリングス)はリムと鼻あてのパッドをつなぎます。
自分に似合うメガネの選び方
メガネは選び方次第でなりたい印象に近づけてくれたり、顔型や印象の補正効果も得られます。違和感がなくしっくりと似合うメガネ選びのために、知っておきたいポイントをご紹介します。
リムの形
選ぶメガネのリムの形は顔の印象を左右する大切なポイントです。「落ち着いた印象を与えたい」「印象が薄く頼りなくみられるから、しっかりとした落ち着きを演出したい」といったイメージチェンジにも役立ちます。
また、丸顔や面長など顔型のバランスを補正するには、卵型の顔型のバランスに近づけることがポイントです。そのため、リムの形に応じて、相性の良い顔型もあるので、参考にしてみて下さい。
・楕円形(相性の良い輪郭:三角顔・四角顔)
...卵型や楕円形で眉や目のシェイプに沿いやすくナチュラルに馴染みやすいのが特徴です。
・スクエア(相性の良い輪郭:丸顔)
...横長の長方形でシャープな印象を与えます。
・ウエリントン(相性の良い輪郭:面長)
...スクエアよりは天地幅があり逆台形に近いシェイプで、シャープで垢抜けた印象のクラシックなデザインです。
・ボストン(相性の良い輪郭:三角顔・四角顔・面長)
...三角形を逆さにしたようなレンズの形が特徴的で、クラシックながら知的で優しげな印象を与えてくれると人気のデザインです。
・ラウンド(相性の良い輪郭:三角顔・四角顔)
...その名の通り円形のシェイプで、かわいらしい印象を与えます。
リムのタイプ
リムのタイプで選ぶと、デザインによって印象が変わります。
・フルリムタイプ
レンズ全体を囲うデザインで、強度が強いことが特徴です。素材やリムの厚みやボリュームにもよりますが、印象を強めたい時にも有効です。リムのデザインや色を楽しみたい方にも人気です。
・ハーフリム/ナイロール
レンズの上下どちらかだけリムがあるデザインのフレームはハーフリムと言い、ナイロンの天糸で張り詰めて固定しているものはナイロールとも呼ばれます。また、下半分にあるタイプはアンダーリムと呼ばれます。
・リムレスタイプ
完全に縁がないタイプのフレームをリムレスタイプと呼びます。ブリッジなどを繋ぐパーツのみで構成されたものは、ツーポイントとも呼ばれます。リムで覆われていないので、メガネの印象が薄く、そのままの素顔の印象で自然に見せてくれるのが特徴です。ただし、レンズは覆われていないので強度面で取り扱いには注意が必要です。
フレームの色
自分に似合うメガネを選ぶ上で、フレームの色選びも重要です。肌や瞳の色、髪色などにより馴染んで相性の良いバランスを意識するのがポイントです。
黄色味と相性の良いイエローベースと、青味と相性の良いブルーベースなどで分けられるパーソナルカラーは、メイクやファッションなどでも、より似合う選択をするためにも用いられています。
イエローベースの方は暖色系やゴールド系と相性が良いとされ、ブルーベースの方には寒色系やシルバー系と相性が良いとされているので、フレーム選びの際にも参考にしましょう。より肌との相性もよくなるので血色や顔色も良く見えます。
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フレームの素材
フレームの素材で選ぶことは、なりたい印象やイメージに近づけることと、素材の持つ特徴や利点を利用できます。
例えば、一般的にメタルなどの金属製のフレームは繊細でベーシック、フォーマルシーンにも合わせやすい印象を持たれています。
また、セルフレームもデザイン次第ではもちろんフォーマルシーンでも可能ですが、メタルに比べて色や柄、ボリュームやテクスチャーの凝ったデザインを再現しやすいため、カジュアルコーデや着こなしのアクセントにも人気です。
素材の特徴の面では、軽量樹脂やチタンなどの素材は軽量でかけ心地が快適であることが魅力です。また、スポーツなどアクティブなシーンではズレにくいシリコンやラバー素材を用いたフレームも人気です。
黒目の位置とブリッジ幅
意外に見落としがちなのが黒目の位置とブリッジ幅のバランスです。黒目の位置が適正なバランスからズレていると、アンバランスな印象になります。レンズの中央あたりに黒目のアイポイントがくるバランスがベストですので、そうなるためにはブリッジ幅も実は重要です。
例えば、寄り目がちな求心顔の方や、離れ目がちな遠心顔の方の場合、仮に同じ顔幅で同じメガネをかけたとしても、黒目の位置は異なります。ブリッジ幅はフィッティングで調整できるものではありませんので、あらかじめ購入時に注意が必要です。
また、ブリッジ幅だけでなく、ブリッジの形状や色でも抜け感や印象の調整は可能です。
顔幅とのバランス
顔幅とのバランスも、似合うメガネを探す際の大切なポイントです。伊達メガネなどでは大きめを選ぶと相対的に小顔効果があるのではと考える方もいますが、顔幅に対して不自然に大きすぎるフレームを選ぶと黒目の位置もアンバランスになり、チグハグな印象になります。
メガネに関しては、大は小をかねるということはないので、適切なサイズが合うフレームを選びましょう。締め付けがなくて楽に感じるからといって過度に大きい幅のフレームを選ぶことはおすすめしません。
自分の顔幅に合っていないメガネをかけると、目尻がはみ出したりすることも。メガネをかけたときにこめかみにテンプルが食い込むならもう少し幅広のフレームを、こめかみ部分に大きく隙間があるならより幅が狭いフレームを試着して、バランスを比べてみましょう。
メガネを作るときの注意点
自分に合ったメガネとは、見た目が好印象で似合っていると感じることだけではありません。不自然ではないか、どこかが当たって痛いなどの不都合はないかなど、トータルのバランスも大切です。
顔に合った形状やサイズ
自分に合ったメガネを見つけるポイントは、顔に合った形状やサイズのフレームを選ぶことです。似合っている、しっくりとバランス良くかけこなせるという点に加えて、かけ心地という点でも重要です。
サイズや形状の合わないアンバランスなメガネは、様々な不具合があり、合っているメガネとは言えません。黒目の位置、顔幅、テンプルの長さが足りているかなど、総合的にチェックする必要があります。
デザインが気に入っていても、テンプルが耳にしっかりと沿わない、ブリッジ幅の関係で黒目の位置が不自然に感じるなどの違和感がある場合は、フィッティングで調整できない可能性があります。
鼻に合わせてノーズパッドが調整できるか
ノーズパッドの調整によって改善されるポイントは、鼻元のズレだけではありません。鼻のかかり具合が変わるとレンズの位置が変わり黒目とのバランスがよくなったり、目とレンズとの間の距離を出すことでまつ毛や頬にあたらないようになったり、それによって耳のかかり具合の奥行きなどにも影響があります。
ノーズパッドの位置が固定されておらず調整できるクリングスタイプを選べば、より細かなフィッティングも可能です。
用途やニーズに合った使いやすさや軽さ
合っているメガネは、無理を感じないかけ心地の良さもポイントです。例えば、スポーツやアクティブシーンでの出番が多い場合は、頑丈でフィット感がよくズレにくいことが大切です。
また、長時間連続して着用する用途の場合には、かけていることを忘れるような自然で軽いかけ心地も魅力です。
そういった用途やニーズに合っている、求める使用感を叶えてくれることも合っているメガネのポイントです。
まとめ
店舗での購入以外でも、ネット販売でも気軽にメガネを買えるようになったからこそ、パーツの名称や素材の特徴を知っておくと、よりスムーズにメガネ選びができます。似合うメガネの選び方のポイントとあわせて参考にしてみて下さい。
また、似合う選び方に合わせて、メガネが「合っている」状態や、自分に合ったメガネを見つけるポイントも理解しておくと、お気に入りのフレームを見つけやすくなります。